「日本フェスティバル」の各教室の報告


【日本のお菓子作り教室】 土屋香里さん

 土屋さんは日本のお菓子作り教室を行なった。メニューは白玉みつまめ、みたらしだんご、水ようかん、えびせん、ごまカステラなど。よく醤油味やあんこは苦手と聞いていたが、子どもたちはどれも喜んで食べていた。

 交流会最後の発表会では、和菓子の試食コーナーを作って、教室に参加しなかった子どもたちにも和菓子を味わってもらった。

【化粧教室】 土屋香里さん

 お化粧で美しく装うことが、手術後首に跡の残る女の子たちに自信を与え、精神的な治療となるという心理学者がいる。土屋さんは化粧品会社に勤めているため、会社から寄付された試供品で化粧教室を開いた。

 保養に参加した子どもたちは皆おしゃれで、女の子なら指先をみるとだいたいマニキュアをしているといった具合。お化粧にも非常に興味があり、教室は大盛況だった。

【アイヌ文化教室、楽器教室】 加藤菊緒さん

 今回の参加者の最年少・加藤さんは高校2年生。まず日本の先住民族・アイヌの歴史や文化に関するビデオを上映してから、アイヌ民族の「ムックリ」という楽器を教えた。加藤さんの得意とするオカリナの演奏も交え、指先を使って奏でる楽器の楽しさを子どもたちに伝えた。

 子どもたちはオカリナで「さくら」を演奏した。また、子ども基金が以前サナトリウムに送ったドラムセットを使っての、ドラム教室も行った。

【日本の遊び教室】 梅津ちひろさん

 梅津さんは、小学校の養護教師だ。まず職場の小学校の子どもたちの様子などを写したビデオを上映して、日本の子どもたちの学校生活などを説明した。そして日本の子どもたちの遊びをいくつか紹介。こま回し、お手玉などの遊びを教えたり、わりばしと輪ゴムを使った輪ゴム鉄砲を作ったり、プラバンを使って万華鏡を作ったりした。交流会最後の夏まつりでは、射的遊びの場を作って、輪ゴム鉄砲の競争をした。

【着物の着付と日本の踊り教室】 増田陽代さん・三浦枝美さん

 増田さんは服飾専門学校3年生。三浦さんは大学4年生。オリエンテーションでは、増田さんが三味線を弾き、三浦さんが日本舞踊を披露した。教室ではゆかたを使って、着付教室が行われた。帯をしめて歩きまわる子どもたちは、とても嬉しそうだった。

 花笠音頭の踊りを教え、夏まつりでは、やぐらを立てて踊りを披露した。ゆかたを着て出番を待つ間、子どもたちは興奮しておおはしゃぎだった。そして日本人も一緒になって、盆踊りが行われた。着物教室と剣道については、特に精神のリハビリ効果を専門家たちが指摘していた。

【健康管理】 竹末良三さん

 小児科の医師である竹末さんは、日本人一行と、サナトリウムの子どもたちの健康管理の責任者として参加し、医師との話し合いや医療施設などの視察も行なった。一方で、各教室が開かれている時間はあらゆる教室の補佐として活躍した。

●佐藤しのぶさんの日本の歌コンサート●

 日本フェスティバルの最終日、オペラ歌手・佐藤しのぶさんのコンサートを行なった。プロの歌を生で聞く機会が一生ないような地方に住んでいる子どもも多かったと聞いていた。

 サナトリウムにはグランドピアノなどはなく、ちいさなアップライトピアノだったが、ピアニスト・森島英子さんの伴奏のもと、「アベ・マリア」「母の教え給いし歌」「歌に生き恋に生き」「ある晴れた日に」「この道」「赤とんぼ」などが歌われた。全曲終わったとき、子どもたちは総立ちでアンコールした。佐藤さんはもう1曲「浜辺の歌」を歌い、コンサートを終えた。


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