春の救援コンサート〜各地の主催団体から


チェルボナ・カリーナの会・広島 正本智恵

 短い日本語の曲の紹介の後、歌詞の一つ一つの意味は分からないけど、最初の曲から、うわーっと、何かに胸が締め付けられるようでした。

 チェルボナ・カリーナの子どもたちは、ふるさとを丸ごと奪われて、大地とのつながり、流れる季節の中で、自分たちの生活の暦、いろんなエピソードで綴られてきた人々のつながり、すべてぶち切られて、大切な人たちの命が失われて…。ずーっと、変わらずそこにあるはずと思っていたものが、ほんの一日でそうではなくなってしまう。なくなってしまって改めて、どんなにかけがえのないものだったのか気付いた。そんな悲しみがあふれてくるようでした。

 8年前ぐらいに家庭教師をしていて、教えていた6年生の小学生の子が、チェルノブイリの事故を知らなかった。広島という核被害の日本で、世界でもっとも深く関わりを持っている土地のはずなのに。事故から12年。事故を知らないそんな子どもたちにも、チェルボナ・カリーナの子どもたちの歌、踊りはきっと何かを届けてくれたと思います。

 今回、私はほんのわずかなお手伝いしかしていないのですが、ホント当日はどこからどういうつながりで???と思うほど、たくさんの人が助っ人で手伝われていて、すーごーいーと思いました。

 交流会でも、いつのまにか、あちらこちらで楽しい笑い、話の花が咲いていて、音楽の壁も乗り越えて、みんなすーごーいーと思いました。

 そんなスタッフの心意気と、大入り満員に来て下さったお客さんの気持ちが、すばらしい歌と踊りを披露してくれたチェルボナ・カリーナの子どもたちの心の中に、何かほんのわずかでも希望の灯りをともすことができれば……。 "It's our pleasure"です。


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