ベラルーシの「希望21」は、チェルノブイリの被害者の子どもを支援するための学校サナトリウムです。普段ここに来るのは、1平方キロメートル当たりセシウムが5キュリー以上の特に強い汚染地に住む子どもたちです。夏の期間はそういう子以外を対象とした自由な企画ができますので、われわれが全額を支払って日本の企画を行なっています。サナトリウムの先生たちは、子どもをとけこませるのが非常に上手です。子どもたちはここにきて初めて一緒になったんですが、1週間後に日本人ボランティアが着いたときには、みんなで素晴らしい歓迎会をしてくれました。 「元気フェスタ」では、朝に早起きコースというのを作って自由参加でなわとび・空手、太極拳を教えました。あとは子どもたちの希望順に教室分けをしました。 合気道・少林寺の人たちが一緒になって、護身術やマッサージ(表紙の写真参照)も教えました。子どもたちは「ゆかた」を着るのを非常に喜びます。この着物を着ることが子どもたちに心理的にいい作用をしていると心理学者も言っていました。お琴教室の上野さんは広島の被爆者で、「広島の日」という催しをしました。彼女の体験を語ってもらって、演奏をしました。 特に日本の催し参加に一生懸命な子どもは、病気だけでなく、家の中で半飢餓状態であるなど、家庭の問題などをかかえた子どもが多いのです。だから「希望21」では子どもたちに、ふんだんに食べ物が与えられ、特に子ども基金が特別予算を組んで、果物などのビタミンを多く与えるようにしました。ここで出る食料はすべて放射能検査が行なわれたものを出しています。 父親が失踪して母親が子どもの面倒をみていた家庭がありましたが、その子の母親が、この保養期間中に亡くなりました。その子は孤児になってしまったのです。他の子どもたちも非常に動揺したので、湖のそばで焚き火をしたりして心を落ち着かせました。 途中で日本側がお金をだして1日遠足に行きました。ナチスによって破壊されて虐殺された村・ハティンと、ミンスクの町などを見学しました。 最後に子どもたちの作品の展示会を行ないました。舞台では、お琴、バイオリン、武道などを発表しあいました。子どもたちは6日間で習得した「さくらさくら」や「投げ技」などを立派に披露してくれました。 |