元気フェスタ実施報告

日本から参加されたボランティアの方々の報告


琴曲と茶道教室・上野和子さん (筝曲講師)

 精神的に、非常に密度の高い日々でした。子どもたちの教室での真剣な顔。そして私の指導を素直に受け止めようとする柔軟な心。子どもたちの目のなんと美しかった事でしょう!私は教えながら何度もその姿に心打たれました。わずかな期間で課題とした「さくら」が弾けるようになる事は、実は大変な事なのです。根を詰めすぎてはいけないと、途中でイタズラ弾き等させ気分転換も図りました。その時は爪を飛ばしたり、両手で琴をかき鳴らし、糸を押したりゆさぶったり、教室中は音の大氾濫です。私も一緒になって騒ぎました。でも「さあ、もう一度”さくら”を」と言うと、すぐに我にかえってくれました。教室での最後の日、「明日の発表会では舞台の上でゆかたを着て弾きますが、もし少しくらい間違っても、それに動じず姿勢を正して堂々と弾きなさい」と励ましました。その時「もっとコトが習いたい。これでお仕舞なのが残念!」とかけ寄ってきて、涙ながらに言ってくれる子どもたちに私もついホロリといたしました。共に過した日々は、わずか十日間でしたが、感受性の最も強い年頃の子どもたちに、もし一生忘れ得ぬ想い出となり、日本人の真心が伝わり、心が少しでも癒されたとしたら、この上なき有難き幸せです。私自身も多くを感じ学ぶことが出来ました。これからももっと社会や人間をちゃんと見つめ、自己を見つける旅をしつづけたいと思いました。


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