ナターシャ・グジー・コンサート 報告集

公演主催者からの報告(5)


加須「パストラル・カゾ」

チェルノブイリブイリの子ども救援コンサート実行委員会  小林宏子

 今回のナターシャ・グジーさんを迎えてのチェルノブイリの子ども救援コンサート無事終りほっとしております。昨年、浦和での日米新ガイドライン法反対集会の折、写真展事務局の小林悦子さんより加須でコンサートをやらないかという話があり「平和を守るかぞ市民の集い」の笠井さんに相談をした所、やろうという返事を頂きました。自治労の協力が得られれば大丈夫なのではと思い、2、3の人に相談しコンサート実行委員会を発足しました。

 当初十万円の収益をあげる事が最大の目標であり、支出を抑えいかに人を呼ぶかに頭をなやませました。

 実行委員のメンバーの知り合いの方々からグジーさんの共演者、ピアノ伴奏者、通訳の方々が決まりコンサートの形が少しずつ整えられてきました。この間、子ども基金からチケットを買ってくれるというボランティアがあると聞きました。それが「ありがとう基金」という宗教団体で100枚お願いしました。返事がないまま自分達で少なくとも200枚は売らなければとあちこち回っているうちにNHKのテレビを見たという人からの電話があったりでチケットが売り易くなりました。240枚確実にはけそうという時、ありがとう基金から98枚のチケットを至急送ってほしいという電話がありました。おかげ様で当日は300席すべてうまりました。

 いろいろな幸運に恵まれました。又、人と人とのつながりの大切さを教えて頂きました。コンサートの後多くの方々からグジーさんの歌声がすばらしかった、又広河さんのスライドが心に残ったとの声が寄せられました。主催者としてはこのコンサートの感想が日本やアジアの原発を考えるきっかけになることを祈っております。写真展事務局の向井さんには加須まで足を運んで頂きお世話になりました。又、チェルノブイリ子ども基金の松田さん達にはご迷惑をおかけしましたがいろいろのご配慮を頂きありがとうございました。

 最後に、来て下さった方の感想の一部を紹介します。

「とても美しい声でよかったです。民族音楽が好きなので最高でした。またこのようなコンサートをもっとしていただけるとうれしいです。」


大阪「松原市商工会議所会館」

高校生によるチェルノブイリコンサート実行委員会

 松原周辺の大阪府立生野高校・松原高校・大塚高校・美原高校・平野高校5校のボランティアサークルが集まり,実行委員会を結成し,昨年12月より準備を進めてきました。土・日や放課後を中心に,話し合いや勉強会,宣伝を兼ねての資金調達バザー,校内や街頭での募金活動などを行いましたが,他校も一緒ということもあって,みんなで集まれる時間が少なく,集まっても意見がまとまらなかったり,資金をはじめとする多くの問題にぶつかったり,今思い出しても本当にしんどい毎日でした。なかなか計画どおりに準備が進まず,特に会場の飾り付けは,直前になって毎晩遅くまで残ってやっと,カリーナの実や蘇ったチェルノブイリの森などを完成させることが出来ました。

 こうして迎えた当日,130人近くの方に来ていただき,緊張の高まる中本番が始まりました。50人の高校生ボランティアは,広河さんの熱のこもったスライド説明やナターシャさんの心に響く歌声に魅了されつつも,場外の案内,受付,誘導,照明,音響,司会,あいさつ,インタビュー,ピアノとそれぞれの持ち場で役割を果たしました。そしてフィナーレでは,ナターシャさんと一緒に,私たちも思いをこめて「翼をください」を歌うことができ感動でした。いろいろ失敗もありましたが,コンサートは大成功で,「美しく澄んだナターシャさんの歌声に感動しました。コンサートに来れてよかったです。」「手作りの真心のこもった素晴らしコンサートでした。」(アンケートより)など来ていただいた方にも喜んでいただくことができ,ものすごく嬉しかったです。

 最後に今回のコンサートは,私たちの活動を応援してくださった地域の方々,先生方,多くの友人たちの支えなしでは行うことはできませんでした。本当にありがとうございました。

 そして,これからも,私たちにできることがあれば,ナターシャさんやチェルノブイリの子どもたちの応援を続けていきたいと思っています。


広島「広島市東区民文化センター」「はつかいち文化ホール」

チェルノボナ・カリーナの会 平木薫

 ナターシャが広島に来るのは今回で3度目でした。96年、98年と彼女の歌声を聴いてきた人達は皆、口をそろえるように
「彼女、上達したわね。とってもすばらしかった。」
と、感激の声でした。彼女の歌声を初めて聴く人も、2度3度と聴いた人も彼女の日本語での「チェルノブイリの被害を受けた子どもたちを、忘れないでください!!」というスピーチに、とても心を打たれました。それは、広河さんのスライドを見た後だったので、余計に私たちの心に響いたのだと思います。

 さて、私たちオバサン、オジサンが中心となって続けてきたチェルボナ・カリーナの会ですが、大きな課題を抱えています。

「若い世代にどう伝えていくか。」チェルノブイリの子どもたちが核の被害に苦しんでいること、ヒロシマを風化させてはならないこと、核と人類は共存できないこと、…チェルノブイリ救援コンサートという目的から多少ずれてしまいますが、広島の若者にも、自分たちの問題としてチェルノブイリ事故をとらえてほしい、そのためにこのコンサートに来てほしいと、願ってきました。しかし、伝えるためにはこちらから積極的に出向かなければ駄目だと気づき、今回は広島市立大学の学生たちに頑張ってもらい、学内での交流会を設定してもらいました。ナターシャにとっては厳しいスケジュールとなってしまい、本当に申し訳なく思っています。が、ナターシャの頑張りのおかげで、確実に学生たちの心に種が蒔かれました。ナターシャ、本当にありがとう。そして、これからも頑張ってください。応援しています。


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