里親急募!


98年夏から開始した「甲状腺手術後の困窮家庭にある子どもための里親制度」ですが、現在150人以上の子どもたちを支える規模になりました。事故から15年が経ち、甲状腺手術後の事故当時の「子どもたち」の年齢は上昇しています。非常に厳しい状況であっても、「里親制度」の対象にしている年齢が16歳までなので、支援を見送るケースもありました。

また、今年から開始をした青少年のための「奨学金制度」では、「奨学生」という性質上、学校の成績を考慮に入れています。しかし、病気の子どもたちは、学校に行きたくても治療や検査などで病院に行くため欠席しがちである場合が非常に多く、「奨学生」としての支援の対象にはできませんでした。このような状況を鑑み、9月に開かれた「運営委員会」で、支援を開始する年齢を18歳までに引き上げることが決まりました。

この制度は毎月50ドル(約6500円…レートによって変動。ほかに経費がかかります)を最低2年間支援を続けることを条件に、薬代・生活費にさえ困っているひとりの子どもを1対1で支える制度です。興味をお持ちの方は、事務局までお問い合わせください。検討していただくための資料を用意しています。

◆現在、支援を必要している子どもたちです

S・オリガ(ベラルーシ 17歳)…1997年に甲状腺の手術を受ける。ホルモンを分泌する薬を服用している。11年生(高校2年生)。病欠が多く、学業に支障をきたしている。母は ガンで入退院を繰り替えしている。父は鉄道で修理工として働くが、平均月収は94,678ルーブル(約63ドル)で、家計は非常に苦しい。

G・ナタリヤ(ウクライナ 18歳)…1996年甲状腺の手術を受ける。首のリンパ腺と縦膜に腫瘍が転移。放射性ヨード治療5クール終了。手術後視力が落ち、両眼網膜退化のため手術が必要。教育大学2年生。奨学金はもらっていない。両親は離婚し、母と暮らしている。父はナタリヤの家族に経済的な援助を全くしていない。母は教師で給料は月140グリブナ(約24ドル)。ナタリアの年金は月143グリブナ(約25ドル)。ナタリヤの治療に薬が不可欠である。

◆里子の家族から来た手紙を紹介します

こんにちは、親愛なるTさん。私たちへのご支援と思いやり、そしてエレーナへのご支援に心より感謝いたします。

私は37歳でお店や食堂で働きながら二人の子どもを育てています。息子は18歳、娘エレーナは14歳です。労働時間は4時間で、残りの時間のほとんどは家で子どもをみたり、家畜の世話をしたりしています。家畜がいなければ生活をしていくことができません。なぜなら給料がほんのわずかだからです。まして子どものために必要なものを買うことなどとてもできませんでした。このような一番困難なときにあなたに助けていただき、ほんとうに感謝しています。おかげさまで子どもたちにビタミン剤やパンを与えることができます。ほんとうにありがとうございます。

エレーナの母より(ベラルーシ)


こんにちは、親愛なるNさん。息子のサーシャは治療を受けました。順調です。庭のジャガイモを掘り出しました。一冬分はあります。

サーシャの祖母ターニャは脳卒中が再発し、右の手足が麻痺し、話せなくなりました。食物をかむことができなくなり、呑み込むことしかできませんでした。食べ物を細く擦って、食べさせました。病院を出た後、家で過ごしていましたが、亡くなりました。私たちのおばあちゃんを失ったことはつらく、深い悲しみです。

キエフシナはすでにめっきり寒くなり、木々の葉が黄色くなり、ネコヤナギ、シラカバ、カエデ、サクラ、プラム、リンゴの葉が落ちています。秋の香りがします。森にはきのこがたくさんあります。

あなたからの手紙を楽しみにしています。幸福、健康、平穏をお祈りします。

サーシャの母ヴァレンチーナより(ウクライナ)


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