現地救援団体紹介

<前号からの続き>


チェルノブイリ子どもたちの生存 (ウクライナ・キエフ)

 「チェルノブイリ子どもたちの生存」は1992年に設立されました。私たちは放射能汚染地域から避難した子どもたちを援助しています。2万人以上のウクライナの子どもたちが会員になっています。

 現在、ウクライナ政府はチェルノブイリ被災者へ、食料品援助として18歳未満には80グリブナ(約15ドル)、18歳以上には70グリブナ(約13ドル)支払っています。学生は50グリブナ(約9ドル)の奨学金を受け取っています。チェルノブイリ障害者年金は160グリブナ(約30ドル)です。

 私たち基金の活動は専ら海外の団体によって支えられています。例えばイタリアの団体により口腔病学の器具が設置され、医師たちがチェルノブイリの子どもたちのために無償で協力してくれています。その他、ミシンと編み機の提供により、子どもたちが洋裁を学ぶ二つのコースを開設することができました。また別のイタリアの団体は毎月120人の子どもたちに8ドル分の食料品配給を行っています。

 この団体の援助により放課後にコンピュータや英語、洋裁を習ったり、精神科医や心臓病専門医が診察をするためのセンターをキエフ市に開設しました。スペインの団体はチェルノブイリ原発事故の影響で苦しむ子どもたちの保養を受け入れています。また、4月に上記とは別の地区に子どもたちが放課後に勉強するためのセンターを開設します。

 別のイタリアの団体からは重症の子どもたちの基礎的な経済支援を受けており、心臓手術代の支援、プリピャチから避難した子どもの肝臓手術代、その他、重症の子どもがサナトリウムへ治療に行くための交通費などの継続的支援を受けています。

 もちろん今日でも子どもたちの容態は悪化しています。子どもたちの免疫力は低下しています。甲状腺の病気がとても分かりやすい指標です。甲状腺の病気は増加し、特に16歳までの子どもたちが多く苦しんでいます。子どもたちの甲状腺には大人の8倍の放射性ヨードが蓄積されたと言われています。

 私たちにとって非常に現実的な問題は経済問題です。日本のチェルノブイリ子ども基金が事務所の維持費として家賃と電話代とスタッフの給料の援助をしてくださることに大変感謝しています。今ウクライナでは生活がとても厳しいので、この援助なしでは私たちの存続は不可能です。

(副代表リュドミラ)


イタリアの協力を得て開いた裁縫教室

★子ども基金のコメント 子ども基金はこの団体の子どもたちをブルガリアなどでの保養に招待しました。また、サナトリウム「南」に新しい宿泊棟が建設してからは「南」での保養に招待し、できるだけ国内での保養を支援しています。ほかに事務所の家賃や電話代やスタッフの給料、2001年からは甲状腺手術後の青少年のための支援として奨学金制度による支援を開始しました。

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