夏の特別保養―日本週間

参加者報告


【日本語教室】 日本語教師 K.コースチャー(ウクライナ)

 太陽の光を浴びている南ウクライナ。森林の豊かなベラルーシの田舎。ここで、自分の病気のことを忘れ、夏の保養を楽しみにきた甲状腺手術後の子どもたちの笑顔と気楽にしゃべっている声が喜ばしい。

 知り合いや現地の職員たちの話では、子どもたちは日本人ボランティアの訪問を指折り待っていたそうである。到着すると、以前会っている子は再会の喜び、初めての子は好奇心が写った明るい顔で迎えてくれた。そこで、子どもの保養地における日本週間が始まる。今年の授業にはどんなものがあるだろうと期待で胸を膨らませながら。

 準備におわれた日本人ボランティアの姿を見て、かれらの多大な努力と責任感に感動した。授業が開始となった時から、子どもたちはその新鮮な内容に一生懸命とりくんでいた。最初のころは、上手にできなかった子どもたちもいたが、最後までがんばって成功した。そこで自信がついたことが大事である。異文化に触れ合う機会を得て、自分の力を信じたのは、すばらしいことである。保養にきた子どもたちは、お別れの日はさびしかっただろうが、一緒に楽しい時間を過ごしてくれた日本人の心のあたたかさを、貴重なお土産として持って帰っただろう。

 私はその間、補助的な働きである通訳をしていたが、病気の子どもたちのことを知って、どのような問題が注目すべきか、また、どのような解決法があるか、少しでも理解できたと思っている。支援を必要とする人と交流するまたとない機会を与えてもらって、よかった。教育者としても、人間としても、とてもいい経験だった。今後も、私にできることがあったら、ぜひ参加したいと思う。

 

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