夏の特別保養―日本週間

参加者報告


【和傘・光の万華鏡教室】 事務局 松田奈津子

 子どもたちに楽しんでもらえるかドキドキしながらの3年ぶりの教室だったが、「南」で行った千代紙で作る和傘は熱心で、もっと作りたいから材料がほしいとせがまれた。光の万華鏡はどの年代の子どもたちもそれぞれの作品に独特の光の模様が広がった。

 「南」での「日本週間」後半は里子・奨学生として支援しているベラルーシの17歳以上の若者達が中心だったが、この世代の子どもたちは「子ども」として扱われずチェルノブイリ被災者の子どもの持つわずかな特典も奪われている。保養にももう何年も来ていないという声も多かった。明るく保養を楽しむ彼らからは一見病気の影をうかがえない。しかし、普段寮生活をしているある男の子は実家に残した病気の母と妹の話をしながらひどく暗い表情になった。また、5月に父を亡くしたばかりだという女の子はこれからの生活への不安を隠し切れずにいた。手術によって声帯をいためてしまったある女の子は、再手術が必要なのだが、また声が出なくなってしまったらという恐怖感のため手術は受けたくないという。不安や心配事が日常になっている子どもたちにとって、病気や不安から解放され、きれいな空気の中で健康回復を図る保養の大切さを改めて感じた。

 「希望21」での最終日の30日、子どもたちはそれぞれバスに乗って家路に帰ってゆく。お互いにまた会おうね、とナジェジダでの出会いを慈しみながら。その風景を心に刻みながら、みんなが健康でいますようにと思うと胸がいっぱいになった。「日本週間」によって、遠い日本からの支援を少しでも身近に感じ、心の支えになればと思う。

万華鏡作り

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