奨学生からの手紙
新しい奨学生が決まりました。2001年から開始をした青少年のための「奨学金制度」では、一人の学生につき毎月50ドルを支援しています。3月から支援することが決まった4人の学生のうち、2人の手紙をご紹介します。 P.ヴィクトリア 20歳 (ミンスク国立言語大学英語学科3年生/ベラルーシ) 子どもが好きで、大人の人と交流することも気に入っています。私は英語を完璧にマスターして、学校で教えたり、通訳として働きたいと思っています。仕事を通して、いろいろな人々や、文化を知ることができるからです。私は、世界の人々に小国ベラルーシを震撼させた悲劇について話したいと思います。現在、チェルノブイリの問題は忘れられつつあると言われています。しかしそれは、私たち被曝者にとっては重要な問題です。 私はまもなく、あと2つの外国語を学び始めるつもりです。 私は将来、私設の孤児院を創設したいと思っています。子どもたちが愛され、護られる施設です。未来の国を支えるのは子どもたちです。ですから、私は、学んだ知識をすべて子どもたちに与えたいと思います。
N.ユーリャ 19歳 (プーシキン記念ブレスト国立大学法学部3年生/ベラルーシ) 2000年に、中等学校を大変優秀な成績で卒業しました(金メダルをもらいました)。その時はまだ16歳でしたが、将来について思い悩みました。それ以前に私はすでに甲状腺の摘出手術を受けており、自分の病気のことや、その原因についていろいろなことを知ってしまったからです。 そして、環境問題に取り組みたいと強く願うようになりました。例えば、環境を保護するこの重要性について語りたい、みんなを守りたい、などと思うようになりました。 環境問題というのは人間生活の美的な側面にだけではなく、人間の健康状態そのものにも直接関わり、さらには人間の権利にも関係してくることだからだと思います。 チェルノブイリ原子力発電所の事故後、権利関係を規定する数多くの法令が表れました。特に自分の権利について知り、現代社会において自分や自己の利益を守る能力を得たいという思いが、法律家をめざす、という気持ちにさせました。 現在、私は大学3年生ですが、自分の職業選択は間違っていなかったと確信しています。 なぜなら、人生の目的は、自己の幸せにのみあるのではなく、私たちや私たちの技能がどれだけ必要とされるか、周囲の人々のためにどれだけ役に立てるかということにもあるからです。 勉強はいつも易しいというわけではありません。しかし、最終結果は最大限の努力を傾けるだけの価値があります。私は勉強が好きですし、同級生との交際も好きです。 法律学部で勉強するからといって、最初に抱いた環境問題への思いが遠くに行ってしまったというわけでは決してありません。法律分野の中には、ほとんど知られていない「環境権」というものがあり、私はそのことについて人々に話していきたいと思っています。
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