事故当時子どもだった彼ら・彼女らも思春期を迎えています。18歳になると国からのわずかな援助は奪われ、保養の機会は失われ、救援団体から卒業せざるを得ない子どももいます。また治療の情報がない、交通費がなく必要な検査にも行けないという深刻な問題を抱えています。国家の財政状況の悪化から、チェルノブイリ被災者の就職は特に厳しい状況にあります。このような状況を鑑みて、今年ナデジダでは18歳から21歳までの甲状腺手術後の青少年たちの保養を実施しました。
甲状腺手術後の子どもたちの特別保養期間に96年から実施してきた「日本週間」は甲状腺手術後の子どもたちの年齢上昇や、ボランティア派遣に伴う事務局の実務や経費などの問題から従来のかたちでの実施は難しくなっていました。今年は日本からの派遣ではなく、現地で子どもたち・青少年を楽しませることのできるプロジェクトを検討し、ナデジダでは職業訓練に繋がる教室として、英語・コンピューター・理容教室を開催しました。ここに、保養の実施概要をご報告いたしますとともに、みなさまのご支援に心より感謝申しあげます。
■ベラルーシ「希望21」特別保養 (甲状腺手術後の青少年の保養)
2003年7月28日〜8月20日(24日間)
救援団体「チェルノブイリのサイン」61人(付添3人、代表1人含む)
救援団体「困難の中の子どもたち・ゴメリ」86人(付添4人、代表1人含む)
内分泌医師、教育専門家3人
*ナデジダではこの期間以外にも一年中汚染地の子どもたちを学校ごとに受け入れており、その保養費も一部子ども基金が支援している。
■ウクライナ「南」
2003年6月16日〜29日(14日間)
ナロジチ地区とモテキ村の子どもたち30人、救援団体「ニガヨモギの花」の子どもたち
20人
2003年7月1日〜14日(14日間)
放射線医療センターの子どもたち50人、救援団体「子どもたちの生存」の子どもたち
50人
2003年7月16日〜29日(14日間)
汚染地域に住んでいる病気の子どもたち50人、「チェルボナ・カリーナ」の子どもたち 30人
2003年8月1日〜14日(14日間)
里子と奨学生の子どもたち50人(特別保養)
2003年8月16日〜29日(14日間)
甲状腺手術後の子どもたち50人(特別保養)