ミンスク便り



■11月も下旬になり、ミンスクは雪も舞う季節になりました。今年はベラルーシも記録的に暖かい秋でしたが、冷え込んだ時の寒さはさすがに東京辺りとは比べものになりません。そろそろ人々の服装も、軽い冬服(日本の真冬くらいの格好)から、本格的な防寒着に変わりつつあります。11月初めから3週間ほど、休暇で2年ぶりに日本を訪れましたが、帰って来たミンスクでは寒さはともかく、光の乏しさが日本とは対照的に感じられます。冬時間になって日も短く天気は曇り続き、街の灯りも(最近は以前より随分良くはなりましたが)、建物の中も、照明が暗く感じられます。もっとも、日本の都会が明るすぎるのかも知れません。

■外の天気が悪いとつい家にこもりがちになり、気分も落ち込みがちになりますが、休暇から戻ると仕事が待っており、ゆっくりリハビリともいきません。私は日本大使館で文化・広報を担当していますが、在留邦人も少なく、日本企業や機関も他にほとんどないベラルーシでは、日本に少しでも関係ある問題はすぐに大使館に持ち込んでくる傾向があり、幅広い範囲の問い合わせに対応しなければなりません。今回ご案内させていただくヴィチェプスク州の孤児院からの要請も、そうした数多い案件の一つです。久しぶりの日本では、郵便局などの窓口で「ベラルーシ」と言っても分かってもらえないことが多く、依然としてベラルーシの知名度が低いことを感じました。一方のベラルーシでは、日本を知らない人はいないものの、多くの人にとっては遠い国であり、日本についての理解も大雑把なイメージにとどまっています。

■そうした中で、日本に興味をもち、コンタクトを求めてくる人々は貴重な存在です。経済関係がごく低調で、今後急速に発展する見込みもないため、日本語や日本研究を始めようという動機も出にくい現状ですが、世界的な日本ブームもあって、日本について知りたいという人は確実に増えてきています。日本側もこうした思いに少しでも応えられるよう、努力しなければと自分に言い聞かせる毎日です。

(花田朋子 ミンスク在住 日本大使館勤務)


※以下のお手紙は抜粋です。子ども基金では、チェルノブイリ関連団体以外への支援は見合わせております。交流だけでも希望されていますので関心がある方は事務局までお問い合わせください。詳細をお知らせします。

孤児院長兼福祉団体「コーロス」会長のレオンチー・アリヤノヴィチ・クレヴェツと申します。
職員と孤児たちを代表して、以下の支援をお願い申し上げます。
1.日本で孤児の養育に携わる人々と知り合いたい
2.孤児養育の経験を分かち合う
3.孤児たちの健康や生活条件を改善するための物資/資金援助が可能な支援者探し
4.日本の福祉団体/基金とさまざまな問題について協力を行う
5.上記の協力体制は宗教・市民団体などどのような団体とでも可能
ドクシツィはミンスクから100kmの所です。

福祉団体「コーロスKOLOS(穂)」は1999年に設立・登記され、外国での児童保養および人道支援受け取りを行うためのライセンスを所有しています。現在のところ、外国にスポンサーはおらず、この活動は行っていません。現在ドクシツィ地区には、4,236名の児童が学んでいます。うち2,000名以上は衣服や食料の支援を恒常的に必要としています。地区内には孤児院があり、15名を収容しています。かれらはアル中のために親権を失った親の子供たちで、国家の保護を受けています。孤児院で子供たちが与えられるのは食事のみで、衣類や靴、その他の生活必需品を私たちは至る所で求め回っています。現在、建物は修繕を必要としており、屋根は雨漏りし、ボイラー室も改修し、照明も改善しなければなりません・・・・・


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