高野孟の主要な著作の一覧リスト
《書名》 《出版社》 《発行年》
●『内幕』 学陽書房 1976年(加納明弘と共著)
M資金、再軍備、エネルギーなど戦後史の権力の謎を解明しようと、加納明弘ら若いフリーライター仲間4人でプロジェクトを組んで調べているうちに「ロッキード事件」が勃発した。
●『M資金』 日本経済新聞社 1980年
ロッキードがらみの全日空事件はじめ当時頻発していたM資金事件の真相に迫ろうと、関係者を徹底追跡・取材し、『週刊文春』に連載したものを単行本にまとめた。
●『通産省の野望』 日刊工業新聞社 1981年
通産省のエネルギー戦略を分析した高野の月刊『現代』のレポートと、田原総一朗さんと共同の月刊『文芸春秋』の2回のレポートをもとにした一冊。
●『入門・世界地図の読み方』 日本実業出版社 1982年
いろいろな種類の世界地図を使って、地図を「読む」楽しみを通じて国際政治・経済の基本が高校生でも分かるように解説した。10年間にわたって増刷を重ねるロングセラーに。
●『田中角栄の読み方』 ごま書房 1983年
これは私が自分で書いていて面白かった本の1つで、田中角栄という稀代の政治家がわれわれに問いかけているものは何かを解明しようと試みている。角栄も読んで「面白い」と言っていたと秘書の早坂茂三氏から聞いた。
●『世界関連地図の読み方』 PHP研究所 1984年
2年前の『世界地図の読み方』の続編(言わば中級編)として、戦争と平和、同盟と非同盟、資源と情報、金融と経済の4パートに分けて世界の構造を説いた。
●『情報を解読するためのキーワード』 蝸牛社 1985年
●『さよなら中曽根時代』 花伝社 1986年
中曽根政権に対して私は精力的に批判を続け、いくつかの雑誌に折に触れて時論を書いたが、それらのいくつかを整理して一冊に編んだ。「さよなら」を告げたのに、中曽根はこの年“再選”を果たして、さらに1年間政権に居残った。
●『日米破局は来るか』 サイマル出版会 1988年(武山泰雄編/共著)
武山泰雄=元日本経済新聞主幹が主宰した研究会の成果をもとに、小川和久ら4人で執筆。私は「“同盟”を錯覚する日本――安全保障をめぐる日本の選択」を担当した。
●『世界地図変動の読み方』 ごま書房 1989年
ゴルバチョフの登場で世界地図は大きく塗り替えられようとしていた。ペレストロイカ、中ソ和解、天安門事件、米国の戦略、欧州統合など、冷戦後の世界の配置の中で「哲学を持たない日本」はどこへいくのかを分析した。
●『日本の権力』 現代書館 1989年(菅孝行と共著)
自民党長期政権の権力構造を絵入りで分かりやすく解説しようという、同社の「フォー・ビギナーズ・シリーズ」の一冊。
●『復活する大欧州・漂流する日本』 ごま書房 1990年
1年前の『変動の読み方』では、時代転換の捉え方を認識の枠組みとしてスケッチすることが主眼だったのに対して、その後ソ連・東欧各国などを取材に歩いた経験をもとにそれを肉付けした。
●『199X年Jデー』 プレジデント社 1991年(劇画原案)
湾岸戦争、朝鮮半島、北方領土、中国、EC統合など、ポスト冷戦の焦点の問題を劇画で解説した。作画は五島伝明で、『日刊ゲンダイ』に連載されたもの。
●『21世紀への世界時計』 集英社 1991年
『週刊プレイボーイ』で連載した時論を整理して一冊にまとめた。冷戦後の世界の変動をいろいろな側面から論じ、混沌に沈む日本の行方を占った。
●『新世紀のアジア』 サイマル出版会 1991年(斎藤志郎と共編著)
再び武山泰男さんの主宰の研究会の成果をまとめたもので、私は一章を担当して冷戦後のアジアに安保と経済の新しい地域主義を導入すべきことを論じた。
●『新しいドイツ』 共同通信社 1991年(D・マーシュ原著を監訳)
英『フィナンシャル・タイムズ』のドイツ担当ベテラン記者が書いたドイツ論の翻訳を監修した(が、下訳の出来が悪く、他人の訳したものを監修するのは2度とゴメンだと思った)。
●『マフィア経済の生態』 東洋経済新報社 1992年(編著)
バブル崩壊の惨状が露になる中で、それを上品な大企業と暴力団を中心とするマフィア経済の癒着という視点で解析した。日大経済学部の名東教授とやっていた「地下経済研究会」の成果。
●『地球市民革命』 学習研究社 1992年
89年の『変動』、90年の『復活』、91年の『世界時計』などで展開してきたポスト冷戦世界への捉え方を、改めて総集編として書き下ろした、自分にとっては記念碑的な一冊。
●『大転換・始まりの始まり』 中経出版 1993年
自民党長期政権崩壊、細川政権誕生という大転換が何を意味するか、それがまだほんの「始まりの始まり」であると論じた。『MEICAXIS』というビジネス誌への連載を中心に書き直した。
●『情報世界地図94』 国際地学協会 1993年
世界地図帳に最近の出来事年表を書き込み、また巻頭に焦点の問題を図入りで解説する付加価値の高い世界地図帳。
●『GO EARTHQUAKE 』 祥伝社 1995年
阪神大震災で情報が途絶した中で、パソコン通信が大活躍した。ニフティサーブという電子空間で何が起きたかを克明に追跡し、その意味を考えた。
●『情報世界地図96』 国際地学協会 1995年
93年の地図帳の続編で「冷戦下の戦後50年」を特集した。
●『情報世界地図97』 国際地学協会 1996年
同じく続編で「インターネットで見る世界」を特集した。
●『情報世界地図98』 国際地学協会 1997年
同じく続編で「情報地図で見る世界情勢」を特集。この出版社からのシリーズとしてはこれが最後。
●『最新・世界地図の読み方』 講談社現代新書 1999年
17年前の名著?を冷戦後10年の世界構造の変化に合わせて全面改訂した。よく売れて版を重ねたが、01年に9・11事件が起きてまたまた世界構造が激変してしまったので、04年末に絶版にした。
●『ニュースがすぐにわかる世界地図 』 小学館 2004年
上記『情報世界地図』シリーズの編集者が小学館クリエイティブに移籍したので、小学館から同じような形で出すことになった。
●『ニュースがすぐにわかる世界地図 06年版』小学館 2005年
続編。巻頭に「田原総一朗のニュースの読み方」を配し、特集では「ブラックホール・チャイナの脅威」を採り上げた。
●『滅びゆくアメリカ帝国』 にんげん出版 2005年
9・11直後から5年間のイラク・アフガニスタン戦争の動向を分析したINSIDER記事を時系列に並べながら、新たに解説
を付け加えて、これがアメリカ帝国の終わりの始まりであることを論じた。
●『ジャーナリスティックな地図』 帝国書院 2008年(池上彰、麻木久仁子と共編)
地球温暖化、イラク戦争、中国、北朝鮮、オリンピック、少子高齢化、死刑制度など、現代の世界と日本が抱える50の重
大関心事をコラムと地図で徹底解説するユニークな地図帳。
●『原発ゼロ社会への道程』 書肆パンセ 2012年
福島原発事故の真相解明のため3・11後に書き綴ったINSIDER記事を中心に原発ゼロの「水素エネルギー社会」に向かう道筋を大胆に論じた。
●『沖縄に海兵隊はいらない!』 にんげん出版 2012年
1962年の沖縄初訪問以来の同地へのこだわりを背景に、沖縄の基地問題、とりわけ辺野古米海兵隊基地の新設が全く無用なものであることを主張している。
●『民主党の原点』 花伝社 2012年(鳩山由紀夫と共著)
12年夏に著者が主宰する「大山村塾」に元総理を招いて行った講演会の記録
●『アウト・オブ・コントロール』 花伝社 2014年(小出裕章と共著)
13年秋に著者が主宰する「大山村塾」に小出教授を招いて行った講演会の記録
●『東アジア共同体と沖縄の未来』 花伝社 2014年10月(孫崎享ほかと共著)
14年5月に東アジア共同体研究所が那覇市で開いたシンポジウムの記録(同研究所ブックレットシリーズ1)。
●『韓国・北朝鮮とどう向き合うか』 花伝社 2014年10月(辺真一ほかと共著)
UIチャンネルでのトーク番組を収録(同研究所ブックレットシリーズ2)。
●『辺野古にきちはいらない!』 花伝社 2014年11月(大田昌秀ほかと共著)
UIチャンネルのトーク番組や沖縄で行ったシンポジウムでの発言を収録(同研究所ブックレットシリーズ3)。
●『ウクライナ危機の実相と日露関係』 花伝社 2015年3月(下斗米伸夫らと共著)
UIチャンネルのトーク番組やその他の論文を収録(同研究所ブックレットシリーズ4)。
●『なぜ、いま東アジア共同体なのか』 花伝社 2015年4月(進藤榮一らと共著)
東アジア共同体研究所での研究成果を編んだ論集で「リベラル派の21世紀構想としての東アジア共同体構想」を担当した。
●『沖縄自立と東アジア共同体』 花伝社 2016年6月(木村朗らと共著)
木村朗・進藤榮一共編の論集で「『中国脅威論』の虚妄」を担当した。