《予定》
次回の鴨川集合は6月3日(土)〜4日(日)で、いよいよ田んぼの“草取り”第1回です。棚田トラスト会員の方は、この時か、翌月1〜2日の第2回か、どちらか最低1回参加することが義務づけられていますので、よろしくお願いします。「なるほど無農薬とはこういうことか!」と身体で理解すること請合いです。また大豆畑の手入れやサツマイモの植え付けもあるでしょう。
日程はいつも通りで、昼すぎに現地集合(昼食はすませておくか、弁当を持って早めに着くかして下さい)、午後1時から作業。夕方から山賊小屋で大宴会とサウナ、翌日は8時に朝食をとり午前中一杯作業して昼過ぎ解散となります。1泊2食で6000円、お酒を飲む方はプラス1000円です。翌日の昼食・ビールは別料金となります。交通は、車でない方は東京駅八重洲口10:20発「京成高速バス・アクシー号」に乗って「福祉センター前」下車(12:16着)、そこまで王国から迎えに行きます。
《報告》
5月6〜7日の田植えは、現地の方々も含め30人近くが参加し、6日午後1時半から4時までかかって福井さんのところの1反1枚を、7日午前9時から12時までに石田さんのところの3反6枚のうち2反弱4枚を、無事植え終わりました。残り約1反は翌日、石田さんが(機械で)植えてくれたはずです。
日曜日に田植えをしていると、村のお年寄りがカメラを持ってやってきて「いやあ、近頃こんなに人が集まって田植えをするなんてことがなくなっちゃったからなあ」と言って盛んに写真を撮っていました。都会人が昔ながらのやり方で田植えをして地元の人が珍しがるというのがおかしかったです。田植えは昔は村の最大の共同作業であり、また「田の神」を招いて豊作を祈る祭りでもあったのですが、昭和30年代から機械植えが当たり前になって、田植えに人が寄るということがなくなってしまいました。
今回は『男の隠れ家』という雑誌からライターの木山悳世(のぶよ)さんはじめ編集者、カメラマンの方が取材に見えました。田植えの様子も含めて鴨川生活のことが紹介されますのでお見逃しのないように。また「ぴあ」が今春創刊した団塊世代向け情報誌『おとなぴあ』からも編集者とカメラマンの方が見えましたが、これは高野が同誌次号から連載するコラム「安房鴨川・エセ田舎暮らし耽楽記」の写真取材のためです。同誌は書店で売らず年間購読による直送のみですので、まだの方は是非お申し込み下さい。
《田植えの実際》
今回参加できなかった人のために(来年に備えて)田植えのやり方と注意事項を記しておきましょう。注意事項は草取りのときも準用されます。
まず福井さんや石田さんが用意してくれた苗を適当な大きさの束にちぎって田全体に均等に投げ込んでおいて、端から田植縄を張ってそれに沿って1列に横に並んで前進しながら植えていきます。後ろ向きになって植えていく方法もありますが、自分の足跡がついてデコボコになったところへ植えるので、素人ではうまくいかないそうです。5〜6本の苗を1株として中指の先で一関節ほどの浅い穴を作り親指と人差し指で根を軽く押しつけるようにします。浅すぎると根付かずに浮いてしまうし、深すぎても苗が育ちにくくなります。途中に雑草があれば、根ごと引き抜いて土中に出来るだけ深く埋め込みます。
株の間隔は20〜30センチで、田の幅と人数の関係にもよりますが、1人で5〜6株から7〜8株を担当します。正しい間隔で目印がついている田植縄があって、これだと迷わずに済みますが、最近は売っていないそうです。目印がない縄の場合はもちろん目見当です。田の水を抜いて土の表面に田植定規を置いて植えるという方法もあるそうですが、棚田では雨が降ったときに代掻きをしたり水を張ったりする天水頼りなので、水を抜くことは出来ません。
最初は、苗を「1本、2本……」と数えている人がいたりして(そんなに厳密にしなくてもいいです)、その上、水が土で濁っていて植える根元が見えないので手先の感触だけで植えていくので、なかなか時間がかかりますが(福井さんが1カ所を1秒で植えるのに、初めての人は5秒以上かかる)、すぐに慣れてだんだんスピードが出てきます。実際、今回は土曜日は2時間半で1反でしたが、日曜日は3〜4人が抜けて人数が減ったのに3時間で2反弱を植えることが出来ました。
みんなが終わると声を掛け合って縄を1尺前に出して、今植えた苗をまたいで前進して次の列を植えます。慣れた人ばかりだと、縄を2尺ずつ動かして、1回に2列植えていきますが、初めての人が多い我々の場合は、それだと列が曲がって、見てくれが悪いというだけでなく、機械で刈り入れる場合にうまく刈れなくなってしまいます。我々は一応、手で鎌を使って刈ることにしていますが、田植えの場合と同様、我々がやりきれなかった場合は残りを現地の方々が機械で刈ってくれるので、やはりまっすぐでないといけません。
下はどろどろの粘土質で、ふくらはぎの辺りまでずぶずぶと入ってしまうので、足首を柔らかくして踵のほうから上手に脚を抜かないとバランスを崩して尻餅をついて、今植えたばかりの苗を地中深く埋め込んでしまいます。今回は2回も転んだ女性が約1名いました。足腰を鍛えておくことが必要です。また、これから植える前方には出来るだけ足を踏み入れないようにします。大きな穴が出来て、植えにくくなるからです。それには最初に苗の束を出来るだけ均等に投げ込んで、束を取りに前に出て行かなくて済むようにしておくことが必要です。また最初に田に入るときには、縄の後方から入るようにし、前方からジャバジャバ行くことは避けるようにしましょう。さらに、田の縁は代掻きのときに土を塗り上げて保水力を高めているので、田に出入りするときに不用意に踏んで崩さないようにしましょう。