南房総・加茂川水系沿いの長狭地方は、昔から関東有数の米どころとして知られてきました。とりわけその中でも、私たちが米づくりをしている大山地区は、嶺岡山地の急峻な斜面に開かれた棚田がみごとな里山の景観をおりなしていて、その独特の粘土質の土壌が緑深い森から絞り出される清らかな水をたっぷりとたたえて、コシヒカリ本来の旨味、色艶、歯ごたえを十二分に引き出します。味にこだわるお寿司屋さんのあいだで昔から長狭米がもてはやされてきたのは、それだけの理由のあることなのです。しかも今回、特別限定販売させていただくのは、完全無農薬米と農薬を最小限に抑えた低農薬米。季節ともなるとホタルが飛び交う田んぼで丹精こめて作り上げた極上のコシヒカリをご家庭でお楽しみ下さい。
●毎月初めに5キロ以上であらかじめ決めていただいた量を、玄米もしくは精米したての状態で宅配便でお届けするということで、年間契約をしていただきます。総量に限りがありますので、満員になり次第締め切らせていただきます。
●お米は生もので、精米したときがいちばんおいしく、日がたつにつれ味が落ちます。必要な量だけお申し込み下さい。また家庭用精米器をお持ちであれば、玄米で提供させていただきますので、ご自分で使う量だけ精米して常に最上のお米を楽しむことができ、また米糠を利用することもできます。
●低農薬米 1キロ=500円
完全無農薬米(今年収穫分は20俵限定)1キロ=600円
いずれも5キロ以上1キロ単位とし、送料は1回=830円。
農事組合法人・鴨川自然王国/山賊クラブ
〒296-0232 鴨川市大山平塚乙2の732の2
電話 0470-99-9011
ファックス 0470-98-1560
振込先 鴨川農協大山支店 0364729 山賊クラブ
★お米の販売の責任者は石井三示(みつじ)さんです。
- - - - - - - 《 キ リ ト リ 線 》 - - - - - - - -
■長狭米コシヒカリ【低農薬米/完全無農薬米】を 年 月より1年間、
毎月 キロ購入します。
★今年収穫分の完全無農薬米はすでに予約満杯となりましたのでご了解ください。
■代金・送料は【毎月そのつど/ カ月分まとめて】振り込みます。
■住所
〒
■電話 ■ファックス ■E-mail
ハ
■お名前
●今年9月に収穫した分には、完全無農薬米と低農薬米とがあります。低農薬米は量にゆとりがありますが、完全無農薬米は20俵分(60キロ×20俵=1200キロ――月当たり100キロ)ですので、1人あたり月5〜10キロとして10数人分しかなく、すでに予約満杯です。申し訳ありませんがご了解下さい。希望者が多いようなら、来年は完全無農薬米を増やして貰うよう山賊クラブと相談します。
●私たち自身が今年、手植えした1反歩は、4俵程度収穫がありましたが、これは6月と7月に泥濘の中を這い回るが如きの「草取り」の過酷な労働(無農薬とはそういうことなのです)に参加した人たちで、実費で分け合うことにしますので、別口です。
●完全無農薬とは、定義により、その田で3年以上、農薬を使用していないものです。低農薬・減農薬とは通常、ホタルやドジョウが生存可能な程度の害の少ない除草剤などを1回程度使用したもので、お米のおいしさそのものは全く変わりません。
●文書にもちょっと書いてありますが、お米をおいオく食べるにはいくつかの留意点があります。
(1)お米は玄米の状態で13度程度で保存すると味や品質がほとんど変わることがありませんが、精米したとたんに“生鮮食品”となり、その直後が一番おいしく、日が経つにつれ味が劣化します。ベストな解決策は、自分で家庭用の精米器を買って(3〜4万円――私は通販で買いました)、生産者から玄米で送って貰い、その都度、使う分を搗くことです。ちょうど、コーヒーの豆をそのとき必要な分だけひくのと同じで、いつも最上の味が確保できます。
(2)次善の策は、月に2度程度に分けて送って貰うとか、なくなりかけたら随時注文して送って貰うことですが、これでは生産者の側の手間が大変で、長続きしません。従って、月に1度の定期配給としますが、2〜3週間もするとだいぶ味が落ち、場合によっては臭みが出てきます。これは覚悟しなければなりません。市販のお米には、臭みが出ないよう保存剤のようなもので処理しているものがありますが、それよりはナチュラルなままのほうがマシということです。
(3)お米の保存のための容器も大切で、私は長野県の田舎町の金物屋で買ってきた桐の米櫃を使っていますが、だいぶ味の保ちが違うようです。また通販などでは精米した米を14度程度で保存する容器を売っていて、これだと夏でも味の劣化を防ぐことができるようです。
●今回、初めて長狭米を試して気に入っていただいた方には、是非年に一度でも、鴨川を訪れて、出来れば農作業に参加していただくようお願いします。こういう環境で、この田んぼで、こういう人が作ったお米なのか――ということが「見える」関係の中で、自分たちの食の味と安全を確保することが大事になっています。われわれがそういうことに一向に無頓着で、誰がどう作ったか、何が混じっているか、いつ精米したか、さっぱり分からないものを、金だけ払って食べて平気だったことが、日本の農と食を危機に陥れてきたのであり、われわれが少しでも自覚的に、納得できるもので暮らしを再構築しようとすることが、やる気のある農家を励ますことになるのだと思います。
ハ