この時期、われわれは現地救援団体の来年の支援を検討します。しかし円安の問題などで、同じ金額を円で集めたとしても、去年の何十%しかできないという、非常に難しい状態になりつつあります。子ども基金は現地への支援をドル立てでやっていますから、円安で目減りする分上乗せしてお金を集めることができなければ、同じ救援はできません。募金そのものも縮小してきています。子ども基金への募金は個人が中心ですので、今のところ大きな影響は受けていませんが、同じ人が去年と同じ募金をくれるということも難しくなってきていると思いますので、来年、今年と同じ募金があるとは言えない。しかし被災地からは今年以上の支援が望まれています。これに応えていくのはずいぶん難しい状況です。 われわれは毎年事故のあった4月に救援キャンペーンを行なってきました。今年の春には、避難民の子ども音楽団「チェルボナ・カリーナ」を日本に呼んでコンサートを行ないました。子どもたちはみんな元気な舞台を見せてくれましたが、それから1、2カ月して現地に行くと、その中にひとりの女の子が甲状腺肥大で手術するかどうか検討されていました。精密検査をして、幸いもうしばらく様子をみようということになっています。ああいう子どもたちは一見元気そうに見えますけれども、やはり体の中に爆弾をかかえている、そういうことがわかります。 チェルノブイリ被災地で今も起こっているいろいろな問題を、より多くの人々に伝えるために、子ども基金では1999年3月から5月ごろを救援キャンペーン期間とします。 「チェルボナ・カリーナ」の中で一番年長の、民族楽器を弾いていたナターシャ・グジーを日本に招待して、学校とか小さな町、さまざまなところで救援を訴える演奏会・写真展・講演会などを行ないます。 グジーのミニコンサートを開催してみたいという方は、事務局までご一報ください。そして彼女の渡航費・滞在費への支援を募る「グジー賛同金」を募集します(別項参照)。 どうぞ、多くの方々のご支援をお願いします。 |