99夏日本文化交流会を振り返って(前号の続き)


「ポン・サラニプ (アイヌの小さい網袋)・おり染め教室」/加藤菊緒さん

――― 先日、ウクライナから手紙が届いていた。彼女と出会ったのはベラルーシ「希望21」でのこと。そう、おととしに保養に来ていた女の子からである。ギムナジウムでの勉強、そして看護婦を目指すための様々なこと、芯の強さと共に私が言うのもなんだけれど、かわいらしさもその手紙にはあった。おととしの私には感じとれなかったことで、彼女からの手紙は思わず笑いをくれた。

 6月にベラルーシを訪れた時は教室のこと、その他に自分の気持を置いておくことで精一杯だった様な気がする。それでも授業中、その前後のお互い声をかけつつもドギマギしながらのやりとりは楽しかった。ポン・サラニプの教室は本来の材料を入手することはたとえ北海道であっても困難であるということ、用途などは説明できたものの、力不足と5日間で終えられるだろうかという不安から十分とは言えないのが心残りとなったが、ともかく彼らの作ったものが展示品としてならんだ展示会の時には心の内ながらバンザーイ。「私はこれに○を入れて使うわ」という言葉はやっぱり嬉しかったし彼らとの間で言語としてのやりとりはないにしても感じることは沢山あった。一人男の子が熱を出したため休みになったけれど、次の顔出した授業の時は手伝いをよそに「全部自分でやるー」。各々の町での生活でも保養の時の笑顔だけでなく笑える気持の持ち方も、彼ら自身の中にあり続けてくれたらと想う。

 6月末、ベラルーシでの交流会参加後、8月にウクライナにちゃんと着けるだろうかと心配を持ちつつ、一人西へ向かった。何ヶ国かの国々を周り無事8月にキエフで他のメンバーと合流し、サナトリウム「南」でのプログラム参加してきた。子どもたちの寝泊りする棟での数日間は直接話を持ちえなかった子も含め彼ら主体の祭りなど様々なイベント、日常を通し、とても近い存在になりえたと思う。自分の変化もある時期、おととし会っている子との再会にある変化も変わらぬ部分も心地よかった(あらためて会話をしたこともあるかも知れないけれど)。今回行って、体験の喜びよりも、人と人の繋がりを持てた上で大きなものとなったことは「行って来た」だけでは終わらない大切な事として受けとめたい。


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