里子からの手紙


「甲状腺手術後の困窮家庭の子どもの里親制度」

 1998年夏より開始したこの「里親制度」ですが、おかげさまで現在120人余の里親の方々に支えられる規模になりました。
 里親制度は、月々50$(約6000円程度…レートなどによって変動。ほかに経費がかかります)を、最低2年間支援を続けることを条件に、薬代・生活費にさえ困っているひとりの子どもを支える制度です。たくさんの方のご参加をお待ちしております。この里親制度に興味がある方は、ぜひ事務局までご連絡ください。検討していただくための資料をお送りします。


(手紙紹介)

 こんにちは。愛する大切な里親Nさん。サーシャの母親です。すでに秋も終わりですが、まだ暖かく10℃で、濃い霧が立ちこめています。
 最初にサーシャへの支援金を受取ったことをご連絡します。心から御礼申し上げます。ご支援に深く感謝します。
 私共は貴女のお金で生活していると言ってもいいほどです。菜園でジャガイモを掘りました。ニンジン、ビート、キャベツも。今年はおかげさまで菜園にあるものを食べられます。去年は全て買わなくてはなりませんでした。年寄りのおばあさんからはこんな悲しい言葉を聞きました、「おやまぁ、なんと高い…だけど買わなければならないし…買うお金は無いし…」
 私とサーシャはキャベツとニンジンを漬けて発酵させ、これに植物油と葱で風味をつけて食べます。ご馳走です!
 すべての物価が高くなりました。10グリブナ持っていくとウクライナパン(黒パン)、棒パン(白パン)、クリームバター200グラム、固形チーズ(ロシアチーズ)300グラムが買えます。
 でもサーシャはオート麦の焼きパン、ハルヴァ(砕いた胡桃、ヒマワリの種などを砂糖、油で固めたお菓子)やキャンデーも欲しがります。
 私は短靴や絵の具を買うのに節約しなければと説明すると彼は納得します。ウクライナが良くなるまで我慢するつもりです。
 私達はとても辛抱強い、本当にとても辛抱強い国民です。1932−1933年の飢餓に続いて、1941−1945年の侵略はウクライナの人々の民族的悲劇となり、犠牲者の数は約300−600万人でした。20世紀の悲劇は1986年4月26日チェルノブイリ原発での爆発でした。それは私達のところからほんの95kmにありました。
 ウクライナ大統領レオニード・クチマは12月15日に原発を閉鎖する予定です。
 今は夜が長くなりましたが電気を節約しています。家では非常用ろうそくで夕食をとっています。ママ(サーシャの祖母)は少し良くなりました。自分で食べ始めました。ママは買い物ができないので私がしています。お返事待ってます。さようなら!!

サーシャの母より(ウクライナ)


こんにちは、親愛なるUさん!

 深い尊敬と大きな感謝をこめてジェーニャの母よりあなたにお便りを差し上げます。親愛なるUさん、私と子どもたちは、支援してくださっているあなたに言葉では表せないほど感謝しています。あなたのおかげで私たちは前よりもずっと未来に確信を感じています。ジェーニャがあなたに自分の病気のことを書いたのでご存知だと思いますが、彼は1992年に両肺に転移を伴った甲状腺ガンの診断で甲状腺の手術を受けました。それ以来彼は治療を続けており、放射性ヨード治療はすでに12回行いました。最近では99年11月に行いました。毎朝彼は甲状腺ホルモン剤Lチロキシンを服用しています。
 最近、彼は気分があまりよくなく、頭痛が頻繁に起き、疲れやすいと言っています。おそらく、これは勉強のこととも関係があるのかもしれません。彼は今年中等学校を卒業し商業大学経済学部に入学しました。彼は勉強に喜びを感じ、成績も今のところはよいのですが、これは彼にとっては大きな負担でもあります。
 親愛なるUさん、ジェーニャが大学に入れたのはあなたのご支援あってのことでした。ジェーニャは病気のためにしばしば授業を休まなくてはなりませんでした。当然勉強がみんなより遅れます。そして大学に合格するには、補習授業をしてもらうために先生を家に呼ばなければなりませんでした。おわかりのようにこれらはみなお金のかかることで、それはあなたのご支援の一部を使わせていただきました。
 障害者の息子の世話をしなくてはならないので、私自身は働いておりません。私の年金10ドルと、息子ジェーニャの年金約32ドルとあなたからの支援金で生活しています。ジェーニャの父は私たちと一緒には暮らしていません。
 19歳の長男ピョートルは今年工業大学を卒業し、すぐに兵役につきました。そこで彼に悲劇が起こりました。強い肉体的負担から彼は熱を出し倒れたのです。意識が戻った時には病院にいて、45日間入院しました。軍隊から自由になった今は家でリハビリをしています。
 親愛なるUさん、あなたのご支援のおかげでジェーニャは前より自信がつきました。ちゃんとした服が着られるのも、大学に入れたのもあなたのおかげです。でも何より大事なのは自分の健康を維持することができるということです。あなたのおかげで時々ジュースや果物も買うことができます。
 あなたに心から感謝しています。あなたに神の御加護がありますように。ご健康とお幸せをお祈りします。感謝を込めて

ジェーニャ母 エレーナより(ベラルーシ)


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