チェルノブイリ報告 <困難の中の子どもたち> [ベラルーシ・ゴメリ] 「困難の中の子どもたち」ゴメリ支部は、腫瘍の病気の子どもを持つ親たちによって1992年に設立されました。親たちの会費と募金により、この10年間活動を続けてきました。 私たちの主な目的は次のことです。世論や国家や医療・社会・生活面で法的・精神的に支援してくださる団体に対して、子どもたちの腫瘍や血液の病気の予防と治療の問題を喚起すること、医療面・社会面でのリハビリと健康回復、保養による治療の必要性について訴えかけることです。 チェルノブイリ原発事故の被害者は年金を受け取っています。チェルノブイリの障害者と認められた場合の年金は30000BR*=約18ドル(*BR=ベラルーシ・ルーブル)で、ガス・電気料金の50%が免除され、市内交通機関は無料で利用できます。しかし、事故処理作業員と汚染地に住む子どもに対する免除に比べ、最近では腫瘍の病気の手術を受けた子どもたちへの免除額が減っています。 「困難の中の子どもたち」は、日本のほか、イギリス・アメリカ・フランス・スウェーデン・ドイツの救援団体と協力しています。イギリス・フランス・スウェーデンの団体は、子どもたちを保養に招待し、アメリカは、医療面や健康回復への援助を、ドイツはクリスマスや復活祭の贈り物をくれます。 子どもたちの多くは、だるさ・めまい・心臓や背中の痛み・鼻血・夜間のひきつけ・「鳥肌」の感覚・記憶力の低下を訴えています。甲状腺を手術した子どもたちにはチロキシンという医薬品が欠かせませんが、残念ながら、同じ種類のチロキシンを確保することが難しいのが現状です。チェルノブイリ事故被害者で、医科大学3年生のオクサーナ・Gは、自分の健康状態について「今までとは別のメーカのチロキシンを飲みだしたとき、私はひどい興奮状態になり、心臓が異常に速く鼓動しました。ミンスクの病院で相談をしてチロキシンの量を調整してもらったら、体調はよくなりまた」と言っています。 医師は言います。「チェルノブイリ事故の被害者の中では、気管支・肺の病気、心臓病にかかる人数が増えています。さらに,抵抗力が低下しています。経済状況と環境状況の悪化、きれいな(放射能に汚染されていない)食べ物の不足などは、人々の体の中に傷を残しています。我々の指導者たちがチェルノブイリ事故後の対策に無関心なことに、大変危惧しています」 団体の事務所は毎年賃貸期限を延長していますが、いつまでも継続して借りられる保証がないことを不安に感じています。 (写真は、2001年に贈った車) ★子ども基金のコメント★ 子ども基金はこの団体の甲状腺手術後の子どもたちをサナトリウム「希望21」での保養に招待したり、困窮家庭にある子どもたちを「里親制度」により支えています。ほかに事務所の家賃やスタッフの給料、遠方の子どもたちの送迎のために不可欠な車、甲状腺手術後の子どもたちに必要な医薬品やビタミン剤などを支援しています。2001年からは甲状腺手術後の青少年のための支援として奨学金制度を開始しました。
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