チェルノブイリ報告
<チェルノブイリ家族の救援> [ウクライナ・キエフ] 1994年にチェルノブイリ原発事故によりプリピャチから避難した人々の利益を守り、その家族の救援を目的として設立されました。現在、会員は約7600人です。私たちの主な活動は以下の通りです。 日本の子ども基金の支援を得て、甲状腺手術後の子どもたち、孤児や困窮家庭にある子どもたち、子ども民族音楽団「チェルボナ・カリーナ」の子どもたちを黒海沿岸のサナトリウム「南(ユージャンカ)」で保養させること。 チェルノブイリ事故被災者の子どもとその家族の海外での保養。病院、孤児院、幼稚園などへの医療と人道支援。会員に限らず、子どもの多い家庭や困窮家庭への人道支援。 日本の子ども基金の支援による医療センター(超音波検査、放射能値検査、内視鏡検査、心電図計測)の運営と医薬品の援助。 チェルノブイリ障害者や家族が死亡している被災者への職場の提供、ドイツの支援により働き手を失った家族への物的支援をしています。 チェルノブイリの悲劇を思い出させる4月がまたやってきます。事故から16年が経過しますが、私たち「家族の救援」のスタッフは、ウクライナ政府からのチェルノブイリ被災者への支援が年々減らされていくことに緊迫感を持っています。故郷や家族、親しい者の健康を失われ、さらには明日への希望や子どもたちや孫たちの未来も失われています。事故の処理作業をした者たちへの保障も減ってきています。 現在、年金と給料は生活するに足る最低金額に達していないばかりか、その支払いも遅れがちです。大半の家庭は、子どもを養うために切り詰めながらやっとの思いで暮らしています。洋服・靴・薬などを買うことはできません。 ウクライナでは法整備の不備のために人道支援物資、特に医薬品を受け取るのに問題があります。会員たちは現在、常時病院での検査が必要な健康状態です。 原発事故で被災した子どもと青少年のためのリハビリセンターの開設により(次項参照)、親たちの重荷は少し軽くなり、センターを訪れる子どもたち自身も元気を取り戻しています。 しかし今日、何より緊要なのは子どもたちの病気の問題です。このような経済的・環境状況のウクライナには、健康な子どもはほとんどいないも同然です。高品質の食品・ビタミンが不足し、いろいろな歯の病気も起こっています。さらには内臓にも影響しています。 ★子ども基金のコメント★ 子ども基金はこの団体の医療センターやリハビリのための教室のスタッフの給料、リハビリセンターの改修費を支援しています。ほかに、甲状腺手術後の子どもたちに必要な医薬品を支援しています。サナトリウム「南」での子どもたちの滞在費の他、サナトリウムにリハビリ施設「子どもの家」や宿泊棟の建設にも協力しています。
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