“糖尿病と腫瘍病の子どものための保養”
ベラルーシ サナトリウム「希望21」



血糖値を計っているところ

2006年10月1日から21日までの21日間、糖尿病と腫瘍病の子どものための保養が「希望21」で行なわれました。子ども基金ではこの子どもたちの保養の滞在費・交費・医薬品代を支援しました。

この保養に参加したのは、ベラルーシ・ゴメリ市の団体「小児糖尿病」会員11名、同市の「困難の中の子どもたちへの希望」会員11名(11歳から15歳までの計22名)と各団体1名の引率者です。後者の団体の子どもたちの病気は甲状腺ガンや脳・腎臓・骨の腫瘍などです。保養期間中は医師と看護婦が常に子どもたちの健康状態を管理します。

特に糖尿病の子どもたちには、1日に何度かの血糖値のチェック、インシュリン注射、特別な食事等の他に、病気への知識や心理的サポートにも配慮されていました。「小さい子どもには、“どうして注射をしなければならないのか、どうして他の友だちのように好きなものが食べられないのか”、というような心理的ストレスがたまってしまいます。学校の友だちに自分の病気を隠している子どもも多いのです。そのような子どもたちに自分の病気を理解させ、きちんと管理さえしていれば普通の生活が送れることを知り、前向きに生きていってほしいのです」と「希望21」の小児科医は話しました。「小児糖尿病」の引率者として参加した女性の12歳の息子も、2歳で糖尿病にかかりました。「糖尿病がチェルノブイリ事故によるものだとは、医者や科学者は認めていません。でもチェルノブイリ事故後にこの病気の子どもは増えてきています。そして実際に汚染地域に糖尿病の子どもが多いのです※。私には子どもが1人います。もしまた病気の子どもができたらと思うと不安で、もう1人ほしいとは思いません」と話しました。

(※劣化ウラン弾被害を受けたイラク帰還兵に多くの糖尿病が発症している、という報告もあるようです)

年 齢
(06年10月現在)

発病年齢
13歳 0歳
13歳 9歳
12歳 11歳
12歳 10歳
14歳 12歳
13歳 5歳
15歳 4歳
12歳 2歳
12歳 4歳
13歳 5歳
12歳 11歳
保養に参加した糖尿病の子どもたち

ゴメリ市社会団体「小児糖尿病」 代表 グリネヴェツカヤ

「希望21」での糖尿病の子どもたちのための保養に深く感謝します。子どもたちは健康を強化し新しい友だちをつくり、元気さを蓄えました。このような大変な病気をもつ子どもたちには健康を保持するための十分な保養が欠かせません。子どもたちの母親かも皆様に心からお礼を申し上げます。

ゴメリ州慈善社会団体「困難の中の子どもたちへの希望」 代表 パホモワ

「希望21」での保養に子どもたちはみんな満足しています。子どもたちを保養に招待してもらえたことに、親たちはとても感謝しています。ありがとうございました。



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