8月16日にチェルノブイリ原発に行ってきました。キエフのホテルに迎えに来た車で9時に出発し、11時に30kmゾーン内の今回見学の手続きをした「チェルノブイリインターインフォーム」の現地事務所に到着しました。通訳はモロゾバさんに同行していただきました。日本人に似たアジア系の女性で、ウラジオストック大学日本語科を卒業したそうです。
さっそくガイドのセルゲイさんから一通りの事前説明があり、車でチェルノブイリ原発に向かいました。10kmゾーン内に入り記念碑、展示車輌や放射性廃棄物処理施設等を見て、いよいよ原発群です。
4号炉はできるだけ接近して見たいと希望したところ、約300mの所で車を止めました。車を降りて4号炉を直近で見た時は、体がふるえました。ずいぶんと写真や映像を見てきましたが、やはり直近で見ると、胸に迫るものがありました。その時、ふと私はこれこそ世界遺産ではないかと思ったのです。確かに負の遺産です。しかし、人類に対する重大な教訓となる建造物ではないでしょうか。
撮影に関しては、4号炉を除いては自由でしたが、4号炉だけはこの方向で撮影してほしい、あの建物は写さないように、と指示されました。2年程前から規制が厳しくなったそうです。
チェルノブイリ原発の後は、プリピャチ市内を見学し、集合住宅や幼稚園の内部を撮影したりしました。ラソーハの汚染車輌置き場は時間がなくなったので、残念でしたが見学できませんでした。現地事務所を16時に出発し、同じコースで18時にキエフの中心部に到着しました。
今回わかったことは、新石棺建設工事が始まるまではまだ時間がかかりそうなこと、10kmゾーン内が核の廃棄物地帯と化しつつあることです。
石棺工事については、なぜ遅れているのか納得のいく説明がなく、ようやくアメリカの建設会社に決まった、国際公約の2015年までには必ず完成させると強調していました。10kmゾーン内には各種放射性廃棄物処理施設、使用済み核燃料保管施設等が集中し、地層処分も検討しているそうです。
(編集部注)齋藤さんはチェルノブイリ原発見学の夜、キエフ市内の地下鉄内で、撮影したカメラを盗られてしまいました。9月8日、横浜国際フォトジャーナリズムフェスティバルで齋藤さんと中務さんがチェルノブイリ報告を行なうにあたって、写真がないためキエフの支援団体「にがよもぎの花」より、急きょ最近の写真を借りることになりました。それが上記の写真です。
ベラルーシに2018年、原子力発電所完成の予定
――新聞『ベラルーシの今日』07年7/16付から
ベラルーシでは2018年に原発の完成を予定している。これについて「緊急事態省」の原発建設担当責任者シェグロフ氏は、原発の建設は2008年に開始の予定であると発表した。近い将来、建設地が公表されるだろう。モギリョフ地方の2つの場所が検討されている。予定地には十分厳しい要求が掲げられている。特に地面は1平方メートルにつき7トンまでの重さに耐えなくてはならない。(略)
現在、建設会社の能力についての問題も検討されている。ロシアの会社が可能であるかもしれない。フランスの会社とも話し合いが行なわれている。
それだけではなく原発建設には、独立した監督機関を設立し、法的基準にのっとって進めなければならない。と、シェグロフ氏は述べた。
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