チェルノブイリ報告〜チェルノブイリの証言


L・ヴァチェスラフ(14歳、ベラルーシ)…2002年10月より里子として支援

「母も父も甲状腺腫瘍の病気です」

(C)広河隆一

―事故が起こったときのことを教えてください。

ヴァチェスラフの母(以下、母):畑のじゃがいもを見に田舎へ行っていました。風と陽射しがとても強い日で、窓を開けていたことを覚えています。ちょうど週末で、1日か2日をダーチャ(畑などのある別宅)で過ごしていました。

―事故の後、何が起きましたか。

母:息子は3歳のとき幼稚園の健康診断で甲状腺に異常があるとわかりました。ミンスクに行き、スクリーニングを受け、すぐに手術を受けました。

―そのときことを覚えている?

ヴァチェスラフ(以下V):よくわからなかったけど、お母さんがとても難しいことを言っていた。お医者さんが怖かった以外は何も覚えていない。病気は、前に高濃度汚染地に住んでいたことと何かの関係があると言っていたけど。

―手術後の健康状態はどうですか。

V:いつも頭が痛い。たぶんLテラキシンのせい。健康でないことは確か。

―他のご家族はどうですか?

母:私の甲状腺に腫瘍が見つかったので右の第2節部分を摘出しました。スクリーニングを受けて左側部分にも腫瘍があると分かったので、9月に摘出手術をします。夫も咳が止まらないのでスクリーニングを受けたら、同じく腫瘍があると診断されました。秋に手術をする予定です。

―健康状態はどうですか。

ヴァチェスラフの父(以下父):せきが絶えず、季節の変わり目に頭痛がします。日中、もう一度眠くなります。

―リクビダートル(事故処理作業)か何かの仕事をされていたのですか?

父:いいえ。でも、以前ブラーギン州で働いていました。リクビダートルとは関係がありませんが、汚染地で働いていました。8月のはじめに腫瘍があると診断されました。以前、少し悪いと診断されてはいたのですが、手術ではなく薬で治療するということになっていました。

―ひとつの家族で複数の人に、手術が必要というケースは、ほかにもありますか。

母:はい、そういった家族を知っています。

 

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