2007年3月、スタッフがウクライナ内分泌研究所を訪問した折、超音波診断装置の寄贈を訴えられました。6月発行の基金ニュースにおいて、支援者のみなさまに緊急募金を呼びかけて以来、さまざまな集会でのチラシ配布やミニコミへの折込みなども行いました。その結果490件、7,216,500円(11月末)の募金が集まりました。ありがとうございました。この中には『通販生活』読者カンパによる大口カンパも含まれています。8月には1台の寄贈がかない、スタッフ・ボランティア立会いのもと、超音波診断装置を設置することができました。設置に際しては「東芝」キエフ代理店にも大変お世話になりました。以下は子ども基金の理事の一人がメディアに投稿した文章です。
〔原発被曝の子ども達に命を〕
急速に家計が厳しくなった今年、それでも孫が2人増え、幸せの中にいる。彼らがこの世に生まれ出る前、超音波診断器でお腹の中の成長を楽しませてもらった。パパとママとじじとばばがその「おもちゃ」で一喜一憂しているとき、ウクライナの内分泌研究所から緊急支援の訴えが届いた。3台あった超音波診断装置のうち2台が古くなり使えなくなり診断に支障をきたしている、と。
チェルノブイリ被曝後遺症の甲状腺がんの発見に欠かせない機器。命の危機にさらされているあの子この子の顔が浮かぶ。困難を承知で、一刻の猶予もないという気持ちで緊急募金を訴えた。
こんな時代なのに、多くの方が応えてくださった。うれしかった。そしてK通販会社とT電機会社*にも助けていただいて、とりあえず1台は贈れた。あと年内にもう1台、と願う。1台約420万円。市民の皆さんからの浄財があと120万円あればもう一台が贈れる。
老人にも若者にも、急激に暮らしにくくなった今、本当に申し上げにくいけれど、もしご理解いただければと思いお願いします。
宮西いづみ(理事)
チェルノブイリ子ども基金の皆様
ご支援に深く感謝します。
あなた方の問題を私たちはよくわかっています*。
なぜなら、ウクライナでもチェルノブイリは忘れられているからです。
今、私たちの基金では、チェルノブイリ被害者の権利侵害に関する抗議デモを行っています。
ウクライナでは、私たちの言うことを聞いてくれません。あなたたちも言うように「こちらでもチェルノブイリは終わった!」と思われているのです。しかし、そうではありません。
ですから、私は会議で発言し、政府に問いただしています。
どうして、誰も私たちの言うことに耳を傾けてくれないのでしょう。海外の団体(大使館、マスメディア等)にも支援を呼びかけています。正しいものが勝利すると信じています。
もう一度ご支援にお礼を申し上げます。
2007年10月24日 ウクラナイ「子どもたちの生存」
代表 リュドミュラ・ザクレフスカヤ
(*毎年秋になると、ウクライナ・ベラルーシの各団体に次年度の支援の予定を伝えています。来年も厳しい募金状況になるだろう、と伝えたことに対しての返事です)